近年、沖縄ブームとともに、琉球ガラスへの人々の関心が高まっている。しかし、皮肉なことに、需要が増すことによって低価格を売りにする風潮も生まれてきた。このため、工房によってはコスト削減などを理由に海外でガラスを生産、それを「琉球ガラス」として銘打ち、販売しているところもある。何を以って「琉球ガラス」とするか、いま、「琉球ガラス」は、新しい局面に入ってきていると言っても過言ではない。
そうしたなか、昨年12月に新しいガラス工房が一つ生まれた。読谷村字高志保の東シナ海に面した観光施設・Gala青い海にある「グラスアート青い風」だ。
琉球ガラスの可能性を引き出す
「グラスアート青い風」は同じ読谷村内にある琉球ガラス工房・「海風」を母体としたアート性を重視したガラス工房である。
琉球ガラスの伝統を守り育み、本物志向で進んできた「海風」から生まれたガラス工房なだけあり、琉球ガラスのもつ温もりのある風合いをしっかりと堅持している。
これに加えて、斬新なデザイン、色彩を積極的に取り入れ、琉球ガラスの持つ可能性を大いに引き出している点でも注目を浴びている。
また、グラスアート青い風では、従来の吹きガラスに加え、酸素バーナーや電気炉を用いた作品も多くみられ、これらが琉球ガラスのパーツとなり、絶妙なマッチングを実現している。高度な技術と豊かな発想があればこそ生まれる作品たちはどれもじゅうぶんな存在感を持っている。
「グラスとの出会いが人生を変えた」
琉球ガラス工房「海風」に長年みつめつづけ、「グラスアート青い風」の立ち上げに関わってきたフリージャーナリスト・佐々木仁孝さんは語る。
「東京と沖縄を往復する生活を送ってきたわけですが、なんと言うのでしょう、海風のグラスが東京にあるとですね、すごい存在感なんです。
ああ、また沖縄へ行って職人の皆に会いたい、と切実に思わせるものがありますね。グラスに魂が入っている。あったかい何かが流れているんです。これにやられました。
グラスアート青い風はショップから工房の道具一つ一つに至るまですべて職人さんの手作りなんです。手作りだからこそ伝わる真剣さ、ぬくもりを工房に来て感じていただけたら嬉しいですね。
ここには琉球ガラスの新しい可能性がいっぱいつまっています」。
佐々木さんは現在、読谷村に移り住み、「グラスアート青い風」を拠点として執筆活動を行なっている。「グラスとの出会いによって人生が大きく開かれた」と笑みをたたえている。
充実した体験コース
グラスアート青い風の「体験コース」も充実している。数百種類のバリエーションを持つこと自体が驚きだが、吹きガラス体験は、懇切丁寧なスタッフの補助がついて、小さな子どもからお年寄りまで自分だけのオリジナル作品を作ることができると評判だ。また、アクセサリーとして人気の高いトンボ玉も体験制作できる。こちらもスタッフが補助につくので小さな子どもでも安心して体験することができる。
体験料は吹きガラスが2000円から。トンボ玉が1000円から行うことができる。グラスアート青い風のホームページのトップにある「ONLINE割引券」をプリントアウトして持っていくと体験料を10%割引いてもらえるなどのサービスも行っているので、こまめにホームページをチェックしたい。
施設情報
住所 沖縄県中頭郡読谷村字高志保915 Gala青い海内
電話&FAX 098-958-2000
ホームページ https://okinawa-umikaze.com/
営業時間:9:00~18:00(年中無休)